デムパの日記

あるいは「いざ言問はむ都鳥」普及委員会

1999年の夏休み

1999年なんて遠い未来のことだと思っていた、そんなころに見た物語。
夏休みに入りほとんどの生徒が帰省する中、居残ることになった3人の少年たち。
彼らの元に一人の転校生がやってくる。
転校生は「彼」に瓜二つだった。

1999年の夏休み [DVD]

1999年の夏休み [DVD]

1988年公開のこの作品はとても印象深いものだった。
幻想的で何とも表現しがたい映画。
実は内容はあまり覚えていない。というか内容とかそんなものはどうでもいいと思わせる映画だった。でも不思議なことに初めて見た時に感じた気持ちはありありとよみがえる。
DVD化もされているので購入して改めて視聴することはたやすいのだが、はたして大人になった今の僕が見ても当時の感覚がよみがえるのか、もしかしたらこの気持ちが失われてしまうのではないかと思えて買えずにいる。メジャーな作品とは言い難いから、早めに買っておかないと入手不可になるかもしれないから、とりあえず買って大事にしまっておこうか。

お話のベースは萩尾望都の漫画「トーマの心臓」で、萩尾の承諾を得て翻案・制作されている。

登場人物はたった4人(厳密に言うともうあと二人とナレーションの「大人になった私」)。
4人の少女が5人の少年のを演じ、さらにうち3人には声優が声をあてるという手法で、青年でも少年でもない中性的な少年を表現している。

予告編はいまのところここで見られる。
 ”私がまだ何も知らなかったあの年の夏休み
  世界がそれまでとはまったく違って見えるようになった
  いまでもはっきりと思い出すことができる
  あの年の夏休み”


本編はこのナレーションで幕を開ける。
 ”私がまだ何も知らなかったあの年の夏休み
  世界がそれまでとはまったく違って見えるようになった
  いや、じつは私自身が卵の殻を破って変貌したのであろう
  今でもはっきりと思い出すことができる
  あの年の夏休み
  まるでまだ昨日のことのような気がしてならない"


サントラ盤と言っても良い作品。 こちらは先日買った。

風の鏡

風の鏡