デムパの日記

あるいは「いざ言問はむ都鳥」普及委員会

ウクライナのインフルエンザその後

前に書いたウクライナのインフルエンザについて。
WHOも、世界で流行している新型インフルエンザと変わりはないと発表している。
大げさな報道の裏には大統領と首相の主導権争いが絡んでるらしい。
集会を禁止する口実にするために感染拡大が大げさに宣伝されてるとかいう話も。
(実際に集会は禁止されているようだ)
その程度なら、まぁ、ありそうな感じはする。

ところが、とうとう「生物兵器の実験」とかいう陰謀論が出はじめたw
患者が爆発的に発生した日に、空から何かを散布してるのを見た人が大勢いるんだってさ。
特にリンクはしないけど、具体的な企業名(大手製薬会社)まであげてるサイトもあった。
さらに、新型のワクチンは(意図的に?)ウイルスに汚染されているんだそうな。
風説を流布して業務妨害で訴えられたらどうするつもりなんだろう?

ちなみにインフルエンザウイルスは飛沫感染で、空気感染ではない。←ここ重要
病室のドアを開けておいても、感染性を有したウイルスは隣の病室には届かないと言われている。
結核や炭素は空気感染or飛沫核感染だから、空中散布ってのも戦術的にありかとは思うが、インフルエンザの場合上空からエアロゾルを散布したとして、高い感染性を持ったまま落下してくるとは考えにくい。
地表まで飛沫状に降ってくる(霧雨状?)くらい大量に播けば別だけど、それだけ多量に広範囲に散布するにはかなり大型の飛行機が必要だろうし、住民?のコメントも「何か散布してた」ではなく「何か散布していて水滴が顔にかかった」とか具体的なものになるはず。

そもそも先進国に比べて医療が整ってないのだから、感染拡大が早かったり死亡率が高いことはありうるしある程度しかたがない。
安易に陰謀論に飛びついて、「生物兵器の実験」だの「人口抑制策」だの口走るのは、常識的思考ができないことを宣伝しているようで、なんだかなぁ。
この手の陰謀論はインチキ健康食品などと並んで、科学的に正しい対策や医学的に正しい治療を妨げることになるので、かえって害悪だと思う。


まとめ
インフルエンザワクチンは「不活化ワクチン」で、感染性はありません。
インフルエンザは飛沫感染で、空気感染ではありません。