デムパの日記

あるいは「いざ言問はむ都鳥」普及委員会

狂犬病のこと

狂犬病予防法という法律がある。
犬を飼っている飼い主は毎年1回、飼い犬に狂犬病ワクチンの接種を受けさせることが義務づけられている。
しかしこれを守っている人は多くはない。
約60%の飼い犬は予防接種をうけていないと思われるのだ。
違反した場合は20万円以下の罰金だが、もっと罰則重たくていいと思う。
自分の犬が狂犬病に感染し、ヒトを噛んでしまった場合に何が起きるか考えればわかる。

ヒトが狂犬病に感染した場合は発症前の治療が必須で、発症後の治療開始で救命に成功したケースは1例しかない。
(発症前から治療を開始して、その後発症したものの救命に成功したケースは5例ある)
つまり事実上発症した場合100%死亡する。
もっとも死亡率の高い感染症の一つだ。
狂犬病ウイルスは侵入した部位から神経細胞を伝って求心的に感染してゆく。
つまり脳に向かって感染が進み、ウイルスが脳に達すると発症する。
潜伏期間は最短で2週間、最長では2年という記録があるらしい。
(頭から遠い場所を噛まれた方が発症は遅い)
治療はワクチンや血清の投与で、感染後早いければ早いほど発症を防ぐ=救命の可能性が上がる。

ここ50年以上国内で感染した例は無いが、海外で感染して帰国後発症したケースはある。
(幸いヒト→ヒト感染は知られていない)
日本、ヨーロッパの一部の国、台湾、オーストラリアとニュージーランドなどの数カ国を除いて、ほぼ全ての国で野生動物が狂犬病に汚染されている(全ての野生動物が、という意味ではない)。
狂犬病ウイルスは全てのほ乳類に感染するので、野生動物が汚染された地域を清浄化するのは困難だ。
つまり野生動物に汚染が広がると、かなり厳しい事態になる。

コウモリからの飛沫?で人が感染した例もあるので、噛まれなければ大丈夫というわけでもない。

アメリカも、韓国も、中国も、ロシアも、狂犬病汚染地帯です。
国内定着を防ぐためにも、飼い犬には狂犬病の予防接種を受けさせましょう。