デムパの日記

あるいは「いざ言問はむ都鳥」普及委員会

日本脳炎ワクチン接種の救済措置施行

日本脳炎ワクチンでトラブルとも呼べないトラブルのせいで接種が中断し、さらに新型ワクチンの開発が遅れたせいで、必要な接種を受けることが出来なくなってしまった子供たちがいることを以前書いた。
日本脳炎ワクチン ー デムパの日記
おそらくワクチン接種が原因ではない事象による「積極的な勧奨の差し控え」という名の事実上の接種中断だった。
さらにその後予定されていた新型ワクチンの開発が遅れに遅れ、承認されてからも生産量が少ないという理由から積極的な周知がおこなわれないという、極めて不誠実な状態で密かに新ワクチンの接種が開始された。


ただしこれには大きな問題もあった。新ワクチンの接種対象者は第一期(1ヶ月開けて2回接種し、さらに1年後に1回接種の計三回接種)の接種を"1回も受けていない"子供のみで、一度でも旧ワクチンの接種を受けてしまった子供たちは接種対象外となっていたのだ。
旧ワクチンを接種したあとに新ワクチンを接種した場合の安全性について、まだ事例が少ない、と言うのがその理由。
(同様の理由から新ワクチンでの第二期接種の開始も見送られていた)

この子たちへの救済措置に関しては今年の春には結論が出ているはずだった。
が、偉い先生方の会議で決まった「結論」は「夏まで結論を先送りする」というものだった。


我が家では下の子2人は幸か不幸か接種中断期に生まれたので、一度も旧型の接種を受けておらず、新ワクチンで第一期の2回接種を済ませ、今は半年後の3回目を待つ状態だ。
しかし上の子は第一期旧型ワクチン2回接種したところで接種中断となり、放置されてしまったのだ。
で、そろそろ夏も終わりだし、結論出たんだろうかと思って、気軽につぶやいてみた。

そうしたらさっそく@mogu_さんが最新情報を教えてくれた。

パブリックコメント官報(予防接種法実施規則の一部改訂)


官報の内容を要約すると、

1,旧型ワクチンの生産が終了し生産済みの旧ワクチンもすべて使用期限切れとなったことから、「日本脳炎ワクチン」(旧ワクチン)が「乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン」(新ワクチン)に書き換えられた。また第二期のワクチンも同様に書き換えられたことから、新ワクチンによる第二期接種が解禁となった。


2,特例措置として当面の間、第一期接種を旧ワクチンで1〜2回受けた子のうち、「生後六月から生後九十月(7才半)に至るまでの間にある者」と「九歳以上十三歳未満の者」に対して新ワクチンを接種した場合はそれを第1期の接種とみなすことになった。


3一度も日本脳炎ワクチン接種を受けていない「九歳以上十三歳未満の者」が第一期予防接種式に3回接種を受けた場合は、それを「第一期接種とみなす」。


2と3は実質的な救済措置(経過措置)で、うちの子もこれで第一期接種を完了させることができるようになった。
費用負担については何も書かれていないようだが...法律読むのは得意ではないのでよくわからない。
本体の予防接種法の規定からして、たぶん公費で接種できるんじゃないかと思うんだが...
ただ、大垣市のサイトにある簡単な情報などを見る限りでは、公費による接種となるようだ。
(大垣市 GJ! 仕事早いね)
念のため費用負担については居住する市区町村に電話してみようと思う。
あと具体的な接種スケジュール(第一期の3回目をすぐ打ったとして、第二期1回をいつにするか)については接種を受けるかかりつけ医療機関に相談するしかないな。
どっちにしてもワクチン在庫があるか確認しないとだしな。


ちなみに我が仙台市のサイトには今日現在、今回の法改正関係の情報は無いようだ。
事前に国から(県警ゆで県経由で)情報来てるだろうし、官報出てから3日も経ってるんだから、速報くらい出してもいいと思うんですけどねぇ。
少しは大垣市を見習ってほしい。
政令市の看板が泣いてるぞ!


ところで、今回特に不可解なのは、この特例経過措置では「7歳半以上9才未満」の子が対象となっていないことだ。
第一期、第二期という接種時期に関する規定を引きずっているからなんだろうが、ようするに非対象年齢の子は「9才になるまで待て」ということ。
こんな穴をわざわざ残してどうするつもりなんだろうか?
よくわからないなぁ?


長々と書いてきたが、いくつかの医療機関がわかりやすい解説をアップしてくれているので、是非ご覧ください。
(問い合わせは下記の先生方ではなく最寄り・かかりつけの医療機関へお願いします)
日本脳炎ワクチン 1期救済措置、2期再開ーおぐち小児科 ワクチン・感染症情報
【ワクチン】日本脳炎ワクチン接種についてーやぐち内科クリニック
救済すると言うけれど・・ーこんどうこどもクリニック 院長先生のブログ