デムパの日記

あるいは「いざ言問はむ都鳥」普及委員会

生き物好きな人に超お勧めな本、第3弾!「裏山の奇人」

フィールドの生物学の新刊。
すっかり紹介したつもりになっていたが、過去記事を検索しても出てこなかったので書く。
(最近記憶力の衰えが...あと白髪と老眼もね...orz)
フィールドの生物学シリーズでこれまでに、超オススメとしたのは、細さんの「右利きのヘビ仮説―追うヘビ、逃げるカタツムリの右と左の共進化」と、前野さんの「孤独なバッタが群れるとき―サバクトビバッタの相変異と大発生」の2冊。
今回3冊目の超オススメちして紹介するには小松貴さんの「裏山の奇人: 野にたゆたう博物学」。

裏山の奇人: 野にたゆたう博物学 (フィールドの生物学)

裏山の奇人: 野にたゆたう博物学 (フィールドの生物学)

僕はとても気に入ったのだけど、前2冊とはかなり毛色が違うため、ちょっと読む人を選ぶかもしれない。
前者が正統派の生物学であるとするならば、本書は「純粋博物学」あるいは「博物学とはこうあるものだ」と思わせる。


もしあなたが少年少女時代にファーブル昆虫記に心躍らせた人なら、あるいは南方熊楠の生き方に憧れたことのある人なら、本書はあなたを目眩く昆虫学・博物学の世界に引きずり込んでくれる事と思う。


読めば著者の経済事情なども想像がつくと思われるが、ぜひ購入して著者に印税をもたらしてほしい。
もっとも、著者は印税を自分の生活の向上ではなく、不思議な生き物たちの研究に使うことだろう。
そしてそのお金は素晴らしい論文や図鑑という形で、必ずや僕らの好奇心を満たしてくれることと思う。
僕は図書館で借りて読んだが、近日中に購入して愛蔵するつもりである。
なお、著者は現在新しい研究プロジェクトのための資金をクラウドファンディングで集めているそうなので、ぜひ皆さんも応援してほしい。
僕も近日中に、些少だが応援しようと思っている。
ちなみに、3万円以上寄付すると研究成果をまとめた論文の最後に「謝辞」として、あなたの名前が載る。
(ゴメンナサイ、僕はそんなに出せませんorz)
研究者でなくとも学術研究に貢献できて、しかもその証拠としてあなたの名前が国際的な学術論文に載るのだ。
そういう形の学術貢献だってアリだと思う。
さらに5万円以上の寄付だと刊行予定の図鑑に「謝辞」として、あなたの名前が載るそうだ。
新進気鋭の博物学者のパトロンになってやろうという方は、ぜひこの機会を活用してほしい。


細さんと前野さんの本も買ってね。

右利きのヘビ仮説―追うヘビ、逃げるカタツムリの右と左の共進化 (フィールドの生物学)

右利きのヘビ仮説―追うヘビ、逃げるカタツムリの右と左の共進化 (フィールドの生物学)

孤独なバッタが群れるとき―サバクトビバッタの相変異と大発生 (フィールドの生物学)

孤独なバッタが群れるとき―サバクトビバッタの相変異と大発生 (フィールドの生物学)