デムパの日記

あるいは「いざ言問はむ都鳥」普及委員会

優れた研究者

ネイチャーやサイエンスに10本以上の論文を責任著者で出していたり、引用回数が千を超える論文があったり、インパクトファクターやh-indexがすごい数字だったり。

あるいは有力大学の教授だとか、有名な教科書を書いたり監修していたりなど、「研究者」として優れていることを示す指標はいろいろあって、それぞれ一長一短あったり分野や研究者人口によって格差があったりするわけです。

プロの研究者なら当たり前にわかっている話。

 

一方で、卒業研究や大学院でどの先生を選ぶかは、これとはまったく別の観点からも評価しなければなりません。

就職希望の学部生なら、過去の就職実績、特に特定企業にコネがあるとか。

そして研究者志望なら、その先生が研究者を育てる気があるか、育てる能力があるかを知るために、絶対に調べた方がいい基準があります。その先生が独立してから現在までに受け入れた院生のうちアカデミアで独立してる人の割合。これはすごく大事で、いくらネイチャーにたくさん出していても、院生やポスドクがいっぱいいるのに独立した門下生が少ないラボはヤバいです。

独立したばかりのスーパースター教授なら別ですが、そこには労働力として使い潰された院生の屍が大量に埋まってる可能性が高いです。

卒論や修論なら使い捨てにされても就職の世話で手を打てますが、博士でやられると詰みます。そうなると知り合いの教授に推薦状もらって海外ポスドクで起死回生を狙うしかなくなります。

いっそ地方大でマイナーなテーマを少人数で頑張っているラボに行った方が、学者として生き残る確率が高かったりします。

(地方大にはそもそもカネとコネのある実力者が少ないですけど)

旧帝大や飛ぶ鳥を落とす勢いのビッグラボは、内部の弱肉強食や出身者のその後を複数の筋から確認した方がいいかもしれませんね。

可能ならボスの出身ラボも確認した方がいいです。