デムパの日記

あるいは「いざ言問はむ都鳥」普及委員会

ちょっと古いけど森山氏の日記について感じたこと。
森山さんは若手サイエンスライターの筆頭みたいな人で、主にロボット系で活躍してる(のかな?)。
この人の仕分け作業に関するコメントが、なんというか、「韓国科学への愛は無いのかー!」って感じで残念。
この状況で査定される側だけが悪いかのような言説はどうかと思う。

そもそも仕分け人は廃止ありきで、される側は質問に答えることしかできず、しかも時間は限られる。
いうなれば弁護士無し&検事が裁判官を兼務の公開裁判。
もちろん前提上無罪判決はまずない。

スパコンには死刑判決が出た(死刑執行に必要な予算だけ認められた)。
いや、野依さんも欠席するべきじゃなかったと思うし、あの説明ではダメってのはそのとおり。
仕分けされる側の危機感は確かに足りなかった。

でも、なんというか今回の森山さんの文章には、科学技術予算がどうなろうが関係ないって雰囲気が感じられる。
瀬名さんっぽいというか、突き放した感じというか、万事人ごとというか。

その辺が川端裕人氏や松浦晋也氏や阪大のきくちさんとの差なのかな。
森山氏には、そんな二流評論家のような解説じゃなくて、日本の科学政策のあり方とかにまで鋭く切り込むことを期待してるんだけど、期待しすぎ?

スパコン開発そのものに興味がないのかな?
スパコン開発止まっても構わないのかな?
僕は森山さんのファンだったんだけど、なんかすっごく残念。

僕自身は、スポンサーが付かない分野こそ国費でカバーすべきだと思ってる。
採算が合うって分かってるなら民間がとっくにやってるでしょ?
少なくとも、当時海のものとも山のものともつかなかった山中氏のiPS細胞研究に億単位の金を投資したのは日本政府だった。
(バイエルもやってたみたいだけど、日系企業がやってたって話は聞こえてこない)
あんまり短期的採算性を表に出すと、数学とか天文学とか基礎生物学は金持ちが趣味でやるものになっちゃう気がする。
それで構わないというならもう何も言うことはないけど。
(11/22一部修正)