デムパの日記

あるいは「いざ言問はむ都鳥」普及委員会

耐性菌の出にくい服薬方法の抗生物質

有効成分はそのままに、その他の部分を改良していい感じになった抗生物質について。
僕が初めて処方されただけで、少し前から市場に出ていたらしいが。

普通の抗生物質は、有効濃度を一定期間保つために、朝昼晩の1日3回を5日間とか、朝晩2回を5日間といった服用方法がとられている。
なぜ有効濃度を一定期間保つ必要があるかというと、有効濃度を切るような低濃度環境が続くと薬剤耐性菌の出現頻度が上がってしまうから。低濃度環境下で出現した弱耐性菌からは、中度、高度に耐性になった菌が出現してくる。

だから薬剤耐性菌を出現させないためには、弱耐性菌が生存できない高い濃度を投与初期から菌が死滅するまでの期間維持しておけばいい。そのため一定間隔で頻繁に飲み続けることになるのだ。
ところが、患者の側がうっかり飲み忘れてしまったり、病状が軽くなった(治った)と感じて(でも菌は減っただけで死滅はしてない)途中で服用をやめてしまう人が少なからずいる。
(もちろん、残念ながら副作用がひどくて服薬中断せざるを得ない人もいるのですが)
こうなると菌が全滅する前に薬剤の濃度が下り、耐性菌が出現しやすい環境となってしまう。
(耐性のメカニズムはいろいろあるので、上記はあくまで一般論でありかなり大まかな概論)

前置きが長くなったが、このような耐性菌出現を少しでも減らすために、少ない服用回数で長時間有効濃度が維持される薬剤が開発されてきた。
はじめて朝夕2回を3日間飲むだけで7日間効き続けるものを出された時はかなり感心したんだが、とうとう1回飲むだけで7日間有効なタイプの薬が処方された。ちょっと飲みにくいんだが、これなら原理的に飲み忘れによる薬剤耐性菌出現率の上昇は起きない。服薬中の飲み忘れや服薬中断って言う行為が起こりえないからw
詳しく知りたい人は「ジスロマックSR」でググってみてください。

新しい薬は薬価高そうだけ、ジェネリック品ばかり使ってると新薬開発にお金をかける企業が減るから、なるべく非ジェネリック品を使いたいと思う今日この頃。