デムパの日記

あるいは「いざ言問はむ都鳥」普及委員会

アリの結婚飛行について考えてみた

今シーズンはこれまでに10匹程度の女王アリを捕獲したのだけど、一つ疑問に感じることがある。
(クロヤマ、トビケ、アメケの季節はまだこれからだけど)
クロオオアリとムネアカオオアリは、それぞれ生息場所と思われる森などからさほど遠くない場所で、それなりにまとまって発見された。
これは毎年そんな感じ。
一方今年初めて捕獲したヨツボシオオアリは、職場の入っているビルの裏門前に2匹だけ落ちていた。
周辺をけっこう広範囲に探したんだけど、見つかったのは最初の2匹だけ。
職場近所は住宅街で、森や林のあるところまではけっこうな距離がある。
去年の夏からこれまで、夕方にはほぼ必ず裏門を通るのだが、これまでムネアカオオアリの女王すら見たことはなかった(車で10分の森まで行けばワーカーはたくさんいる)。
いったいこのヨツボシオオアリの女王はどこから飛んできたのだろう?
樹上性種とも聞くので、どこかの街路樹に営巣しているのだろうか?
そんな疑問から、結婚飛行時の飛行距離や飛行高さがどの程度のものなのかがとても気になってきた。
ところがこれがちょっとググったくらいではまったく出てこない。
飛行は無風に近い日に行われるとはいえ、それなりの高度まで上がれば多少の風はあるだろうし、上昇気流なんかに乗った日にはかなりの距離を稼げる気もする。
ただ、最初に書いた自宅近所のムネアカとクロオオの採取地点を考えると、何百メートルも飛んでいるとは思えないんだよね。
まぁこの2種は群を抜いて女王が大きいから、他種より風に乗りにくいとは思うんだけどね。
トビイロケアリなんかは自動販売機の光に集まってくるから、風に乗るというより自力で飛行している感じを強く受けるのだけれども。
はたして女王アリはどの程度自力で飛ぶことができ、また風に乗って遠くへ飛ぶことができるのか、疑問は膨らむばかり。