デムパの日記

あるいは「いざ言問はむ都鳥」普及委員会

シビリアンの戦争―デモクラシーが攻撃的になるとき―

いま一番読んでみたい本です。

シビリアンの戦争――デモクラシーが攻撃的になるとき

シビリアンの戦争――デモクラシーが攻撃的になるとき

以下、山形浩生氏の書評から引用

軍人たちは、戦闘で真っ先に死傷する立場だ。だから勝算のない無意味な戦争にはきわめて慎重だ。むしろ文民たちのほうが、独裁政権打倒とか対テロとか、その時の勝手な思い込みと勢いで、軍人たちを(民主主義のおかげで!)戦争に引きずり込んでいる

書評全文はこちらで

名だたる大新聞が、戦前は戦争を煽りまくっていたのは有名な話。
だからこそマスコミと国民が戦争を煽った歴史には真っ正面から向かい合う必要があるのでしょう。
昭和天皇東条英機と「戦犯」だけが悪者で、その他の国民はみな被害者ってわけじゃなかったのだよと。

本書の「国民の相当数が軍事的経験を積むべき」という主張にはもちろん異論のあるところだと思う。
しかし、日本のお隣の国々(中国韓国北朝鮮だ)は徴兵制だったり国民皆兵制だったりする(しかも国是は反日だ!)。
他にも例えばスイスは徴兵制で各家庭に自動小銃があるし、民間防衛という本を読めば自国の独立を守るということをどこまで真剣に考えているか理解できる。


現実的には、今の日本で素人が従軍したところで、少数精鋭で専守防衛に特化した自衛隊という組織では、徹底的に訓練された自衛官の足を引っ張るだけなのは目に見えているので、そんなのは自衛隊としても願い下げだろう。
予備自衛官制度もあるけど、やはり人数が過大であれば自衛隊の負担が増す(自分たちの訓練時間が減る)。


実際に戦争に行かないシビリアンだからこそ、もっと軍事や戦争について学ぶべきだと思う。
「戦争反対!安倍しね」とかデモで叫んでいる人たちのうち、はたして何人が戦争について真面目に考えたことがあるのか、ミリオタの端くれとしてはたいへん気になります。


そんなこんなで、自由と民主主義を国是とする日本国の国籍を有するシビリアンの一員として、第一次世界大戦から東西冷戦終結と中国の軍事的台頭までの戦争の歴史を、じっくりと学ぶ必要があるのではないかと思うのでした。

同じ著者によるこちらも読んでみたい。

こちらはKindle版もあります。

あと、前にも紹介したスイス政府の”民間防衛”

民間防衛ーあらゆる危険から身をまもる

民間防衛ーあらゆる危険から身をまもる


こちらはスイスの利己的えげつなさがわかる良書。
自国と自国民を守るためなら手段は選ばないというのは、こういうことなのだね。

黒いスイス (新潮新書)

黒いスイス (新潮新書)

黒いスイス(新潮新書)

黒いスイス(新潮新書)