デムパの日記

あるいは「いざ言問はむ都鳥」普及委員会

博士の社会イメージと異業種への進出

ネイチャーのTwitterに流れていたので見た記事
特集記事:超オタクから洗練された科学者へ


もちろん、社会が実際に科学者やエンジニアをどう見ているかは、テレビをつけるか、映画を何本か観るだけですぐに分かる。主力のメディアは科学者を迫力ある極悪人として描くことがあるが、名前の後ろに付く「博士」という肩書きからは、青白い顔をして社会に適応できない者(恐ろしいというよりもかわいそう)というイメージを連想しがちである。

言ってることはそのとおりだと思うんだ。だけどね...この写真はもうちょっと何とかならんかったもんかorz
ネイチャーおとくいの一コマ漫画とかだったらもっとコミカルかつ鋭く表現できたと思うんだが、これでは単に気色悪いだけだ。

つまり、科学者やエンジニアに対する一般の認識が、こういう職業に就いている人の能力、最終的には科学者やエンジニアが社会にもたらす価値を左右するのである。それによって科学者やエンジニアの職業の選択枝の幅も違ってくるのは間違いない。

基本的には博士とは問題解決についての一定水準の訓練を受けた人だと思ってる。
だから雇用側と博士側に先入観やこだわりがなければ、かなり使える人材になり得ると思うんだけど。
雇用側の、博士は専門バカだという誤解?と、博士側の研究ジャンルに対するこだわり?をなんとかすれば、かなり博士号取ってから出版社に就職したっていいじゃないか。
アメリカじゃ数学や物理学で学位取った人が金融業界に就職してるし、政府の行政中枢にも博士果多数いるんだよ?

しばらく前に読んだアンケート結果では、博士を採用したことがある企業では博士に対する評価が高く、博士を全く採用していない企業経営者ほど「博士は専門バカだから使えない」という考えが強かったという。
企業規模や業種にもよると思うんだが、専門を捨てる覚悟を決めたハカセはたぶん強いよ。

おそらく「科学者」や「博士」に対する文化的な定型概念を取り払ってしまえば、科学者は定型概念が自分たちにどう不利に働いているのか(また、実際にはいかに自分たちに有利に働くのか)を理解できるようになるだろう。これは前進を望む若年科学者にとって、特に科学職以外の人々との交流が多い非伝統的なキャリアへの道を歩む人にとっては有益だ。

今まさに非伝統的な進路に進もうとしつつある僕にとっては、勇気づけられるというか参考になる記事だった。