デムパの日記

あるいは「いざ言問はむ都鳥」普及委員会

動物学の古典的名著が...

長女に読ませようと思って、コンラート・ローレンツ、カール・フォンフリッシュ、スティーブン・ジェイ・グールドの一般向け書籍をAmazonで探しました。
ローレンツとフリッシュは、ニコ・ティンバーゲン(利己的遺伝子で有名な進化生物学者のリチャード・ドーキンスの師匠)とともに1973年にノーベル賞を受賞した動物学者で、グールドはドーキンスのライバルとしても有名な進化生物学者です。


候補は中学1年生にも読めそうな以下の本。
・フリッシュ「ミツバチの不思議」
・ローレンツ「ソロモンの指輪」
・グールド「パンダの親指」


いずれも名著なのですが、「ソロモンの指輪」以外は絶版でたいへん驚きました。
「パンダの親指」は古本でも文庫は上巻だけ、単行本は下巻だけしかないありさま。
(なぜか原著のKindle版は売ってるけど、中1には無理だ)
「ミツバチの不思議」は夏休みの課題図書だったこともあるくらいで、青少年向け科学書として有名な「ロウソクの科学」が現役なんだから、当然あるだろうと思っていたのですがまさか絶版とは。
グールドだって知名度ではドーキンスにやや劣るものの、素晴らしい本を書く人です(2002年に亡くなったのが惜しまれます)。
ドーキンスの扇情的な本がほとんど現役なことを思うと、この扱いはあまりにひどい。
幸いなことに、フリッシュもグールドも、ほとんどの本は公立図書館に収められているので(名著ばかりなのだから当然だ!)子供に読ませることはできますが、なんというか、出版界どうなってるの?
「謎解きはディナーの後で」が本屋大賞を受賞したときと同じくらい驚きました。

ソロモンの指環―動物行動学入門 (ハヤカワ文庫NF)

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