デムパの日記

あるいは「いざ言問はむ都鳥」普及委員会

真打ち登場!

東海大学出版部の「フィールドの生物学」シリーズは、過去にもこのブログで紹介してきたとおり、どれも粒ぞろいなわけですが、ついに真打ち登場です。

クマムシ研究日誌: 地上最強生物に恋して (フィールドの生物学)

クマムシ研究日誌: 地上最強生物に恋して (フィールドの生物学)

クマムシ研究で超有名な堀川さん!
ナショジオWEBでの川端裕人さんの連載「研究室に行ってみた」でも紹介されています。
「研究室」に行ってみた 研究者 堀川大樹


思えば僕がクマムシという生き物の存在を知ったのは、かれこれ30年近く前に受講した動物分類学の講義でした。
(この授業は必修科目だったので、卒業するためにしぶしぶ受講していたのですが)
主に苔*1に住んでいると聞き、さっそく友人と連れだってキャンパス内の数カ所からコケを採取して、実験室に持ち込み実体顕微鏡を借りて探しました。
幸運なことに1枚目のシャーレで線虫やワムシに混じってモゾモゾ動く複数のクマムシを発見することができました。
緩歩動物門の名のとおり、ゆっくりとかぎ爪のある手足を動かす姿に感激しました。
さて、クマムシが見つかった以上、やることはひとつです。
バーナーで炙って先を超細くしたピペットを使って、クマムシを別のシャーレに1滴の水とともに移し、乾燥していく様を観察です。
みるみるうちにマグマ大使のように手足を引っ込めて、樽型クマムシのできあがり。
こんなに速く進むとは思っていなかったので、たいへん驚きました。
当然のように、今度は水を加えて元に戻るところを観察。
これを何度も繰り返したため、哀れクマムシは1時間ほどで動かなくなってしまいました。


堀川さん、前野さん、小松さんなど、生物のロマンを追求する大きな昆虫少年若手生物学者たちのひたむきな姿にエールを送らずにはいられません。
さあ、本を買って(印税で)応援だ!

裏山の奇人: 野にたゆたう博物学 (フィールドの生物学)

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右利きのヘビ仮説―追うヘビ、逃げるカタツムリの右と左の共進化 (フィールドの生物学)

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孤独なバッタが群れるとき―サバクトビバッタの相変異と大発生 (フィールドの生物学)

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*1:学術的には「蘚苔類(せんたいるい)」←コケは蘚類と苔類に分けられます←必修科目の植物分類学で習いました