デムパの日記

あるいは「いざ言問はむ都鳥」普及委員会

産経新聞のピタゴラ装置

apjさんの「またまた別の練習問題」や、キンシャチさんの「永久機関?」でも言及されていますが、産経新聞に愉快な興味深い記事が載りました。


究極のエコ! 重力と浮力で発電する装置をさいたまの80歳男性が開発


まぁ産経を含めて新聞の科学記事が愉快正確さに欠けるケースがあるのは今に始まったことではありませんが(例外は朝日新聞でしょうか。朝日は時々?きちんと理解した上で、おや誰か来たようだ)。
きちんと理解して科学記事を書いていると思う順位は、朝日>読売>毎日>産経であると感じます。

話を産経の当該記事に戻します。
この装置は記事にあるとおり特許を取ったそうです。
永久機関と見なされたものは日本では特許が認められませんので、つまり特許審査はきちんと行われたということなのでしょうねw
審査官の方々も、なかなかどうしてたいしたものです。


この装置のミソは、
「装置には水位を保つために、ピンポン球の体積分の水が出し入れされており」
ってところでしょうか。
ようするに放っておくと、ピンポン球が浮き上がる位置(上昇管内の水位)がどんどん下がって、ピンポン球が落下管内に移行できなくなるんですね。
そのために高いところにある蓄水タンクから蓄水管を通して水を注入して、上昇管内の水位を高く保つ必要があり、ようするにこの水の位置エネルギーが、電気に変わっている。
ピンポン球も上昇管も蓄水管も必要なくね?
だって純粋に発電効率で考えたら、水の落差で直に歯車(羽根車)回して発電した方がロスが少ないでしょ?


まぁご本人の発言にもあるように、
「球体が動くのを眺めているだけで楽しいから、からくり時計のように楽しめる」
というところには同感。
「永久機関的に見えるけど実はそうじゃない」というトリックアート?的な装置として販売すると、とても面白いのではないかと思います。
全国の科学館に売り込んだら良いんじゃないかな。